走れミチル

ミチルは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の客を除かなければならぬと決意した。ミチルには客の気持ちがわからぬ。ミチルは、現役女子大生である。肉を焼き(焼肉が好きです)、友達が殆ど居らぬ為妹と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。昨日未明ミチルはバイト先からの鬼電を居留守し、野を越え山越え、十里はなれた中華料理店で女の悪口に勤しんでいた。

(中略)

聞いて、ミチルは激怒した。「呆あきれた客だ。生かして置けぬ。」






さて。突然で申し訳ないが皆さんに問いたい。バイト先から鬼電が掛かってきたことはあるだろうか?
私は無かった。昨日までは……。


昨日の16:30頃から計4回、アルバイト先から電話がかかってきた。私には恐ろしい電話を取る趣味は無いため、当然居留守をし続けた。そして今日である。また、掛かってきたのだ。ここまで来たらいい加減電話を取るか着拒をするかの2択である。私には社会性があるため前者を取る。以下、電話の内容である。


店長「ミチちゃん、やっと出たくれたよ〜。お疲れ様」
ミチル「お疲れ様です。ずっと寝てました(気がない男からの返信みたいですね)」
店長「昨日、パスモで1050円のお会計したの、覚えてる?」
ミチル「覚えてません。」
店長「10050円で決済されたって言われたんだけど、レジの記録だと1050円だし(うんたらかんたら)」


まあだいたいこんな感じ。生かして置けぬ。
とにかく客が訳の分からないことを言い出し、その時間にレジを担当していた私に一応話を聞きたかったそうだ。
覚えているわけが無い上にパスモで過剰受け取りをして私に何のメリットがあるというのだ。(現金であればチップとしてポケットにスっと入れるかもしれない。)
ただ、店長に罪はないし、いつも優しくしてくれる上に、可愛くて若い女なのでここは問題ではない。


問題は客である。パスモで決済する際には、必ず「金額をご確認の上、タッチをお願い致します」と大声で叫んでいる。過剰受け取りなど起こりえないが、一応口頭でも伝えて保険をかけているのにも関わらず、トラブルを捏造するとは。馬鹿である。

そして、昨日居留守をしてから今日電話を取るまでの17時間(内睡眠時間10時間)、何をそんなに怒られるのかとガタガタと震え、ゴム手袋をつけて触らなければならないパンを素手で触ったこと、トイレ掃除をしたことが無いこと、賞味期限を確認せず(期限の早いものを手前に並べなければならない)店頭に乱雑に並べたこと、コロコロでマットを掃除したあとコロコロのシートを新しいものに変えずに放置したこと、いつも氷を床に撒き散らしていること、レジに設置してある目の前のアクリル板を鏡代わりにして前髪を整えていること、等を反省した時間を返して欲しい。


とにかくミチルは激怒しているのだ。

ただひとつ、私は非常に謙虚であるためこの客に感謝を伝えようと思う。実は、前回の【前のカフェモカ】、初回の【初めまして。】を公開した際に既に大方下書きが出来ていた。が、連日で投稿できなかったのには次のネタが全くないことを危惧した計画的な理由があった。
しかし、この客のおかげでネタが出来た。(昨日【前のカフェモカ】を公開したのは影山佳恵に「ミチルちゃん公開しちゃいなよ」と言われたからである。この時点ではまだ次のネタは未定。佳恵の口車に乗せられた私はお先真っ暗であった。)この客には感謝を伝えねばならない。が、まだストックは無い。次への不安を抱えながら【走れミチル】を公開するというわけだ。



ブログは良い。怒りをこうして発散させることが出来、その上太宰文学にも改めて触れることが出来た。私は中高時代、勉強をする事は負けであると思い、教科書はほぼ読まず最後には破り捨てていたわけであるが、走れメロス高瀬舟だけは読んだ覚えがある。特に高瀬舟は好きだった。ただ弟はもう少しマシなやり方があったのではないかと思う。兄自身、島流しになることに対してお金もらえるし🎶と楽しげなのとも、安楽死問題とも、これは別問題である。弟を目の前で亡くす兄の気持ちを考えるべきである。兄弟あるあるだと思うが、年下の弟や妹というのは基本的に自分勝手である。困ったものだ。私は姉なのでしっかりしているし、かわいい。(ふふ)